鎖国だった日本は、ヨーロッパの人たちにとって謎の多い国でした。
そんな日本で長期間滞在していたゴロウニンの著書は注目され、欧州各国で翻訳、ベストセラーになりました。
当館では、ロシア語初版本(1816年)をはじめ、ドイツ語(1818年)、フランス語(1818年)、英語(1818年)、デンマーク語(1818年)版が展示されています。
いずれの翻訳も3年以内に刊行されており、関心の高さがうかがえます。
謎の多かった日本人の生活や国民性など、リアルな情報がこの本によってヨーロッパ中に広まりました。
また、日本では1825年に「遭厄日本紀事」として翻訳され、その後も「日本俘虜実記」「幕末日本見聞録」などの邦題で出版されました。
ハリストス正教会の聖ニコライは、この「日本幽囚記」を読んだことが来日するきっかけになったそうです。
写真右上にあるのは嘉兵衛の肖像画ですが、この絵を持って聖ニコライは嘉兵衛に会いに来ましたが、嘉兵衛もうこの世におりませんでした。
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古文書・地図
takadayakahei(
2012年9月12日 13:18)